1.土地の値段は、「一物四価」

これから土地を売買する人にとって一番気になるのは、
自分の土地の価格ですね。

しかし、土地の売買価格は取引ごとに決まるもので、
大体の相場はあってもその相場を中心に若干の上下があります。

これはネットオークションでの売買と同じです。

土地の価格には実際の売買価格のほか、
一種の相場として国や地方自治体がつける値段が三種類もあります。

地価の公示価格、相続税の路線価、
固定資産税の評価額です。

この三種類と実際の売買での時価を合わせて四種類の値段がある、
ということで一物四価といわれます。

もちろん、これがわかりやすいという人はいないでしょう。

2.土地登記の手数料に影響するのは、固定資産税の評価額

実際の価格以外に役所がつけた価格で土地売買で重要になってくるのは、
固定資産税の評価額です。

なぜなら、土地の名義を変える登記(所有権移転登記)に
必要な登録免許税の金額が、固定資産税の評価額の1.5%と決まっているからです。

公示価格や路線価はニュースで話題になりますが、
個々の土地売買に直接影響することはありません。

土地の登記の手数料、あるいは費用を考えたとき、
金額が一番大きいのは実費である登録免許税です。

もう一つの費用である、司法書士への報酬は
登録免許税ほど大きくないことが一般的です。

たとえば地方都市の一般的な住宅地として、評価額2000万円の土地の
所有権移転登記では登録免許税が30万円かかるのに対し、
司法書士の報酬は数万円から十数万円であることが多いのです。

3.固定資産税の評価額と地価公示価格の関係

では固定資産税の評価額はどのように決まるのでしょう。

市町村が適正な時価を反映して決めるという制度ではありますが、
実際には三年に一度、地価公示価格の約7割の価格を目処に
評価が決められています。

平成27年度は多くの市町村で、
この評価が決め直される評価替えの時期にあたっています。

地価公示価格は毎年決定されますが、
これは国土交通省が選んだごく一部の土地についてのもので、
すべての土地について価格が公示されているわけではありません。

4.土地売買のタイミングは、不動産業者とも相談を

近年、地方都市での地価の下落が下げ止まりません。

公示価格は毎年決定され、それを手がかりに三年ごとに
固定資産税の評価額が変わります。

地価が上昇し続けたり下落し続けたりする場合は三年ごとの評価替えの前後で、
土地登記の際の登録免許税が変わることになります。

このことから、不動産売買のタイミング
影響を与えることがあるかもしれません。

地価が上昇し続けている地区では評価替えの前に売買したほうが
安い登録免許税で取引できるためです。

地価が下落し続けているなら、
評価替え後に売買するほうが登録免許税が安いことになります。

こうした相場観は不動産業者が知っているはずですから、
相談して意見を聞いてみるのがよいでしょう。